NEWS


2021.03.08 「ジェンダーに関する問題ある公的発言ワースト投票2021」の結果を発表いたします。下をご覧ください!!!

2021.03.08 私たちのこの投票キャンペーンについてご質問をいただいておりました。回答が遅くなりましたが、お答えいたします。ご質問は、Q4についてのもので、「『LGBT当事者である/当事者でない』(注;私たちの選択肢は「セクシュアルマイノリティ当事者である/当事者でない」)しか選べないのはなぜですか? 『答えたくない』という選択肢は思いつかないのですか? なんでここで強制的にカミングアウトさせられるの? 理解に苦しみます。あなた方こそ人権意識に乏しいのではないですか?」というものでした。

 Q4は、回答必須の質問ではなく、回答しないで先に進むことが可能でした。それぞれご事情おありでしょうから、それが許す限りでご参加いただければありがたいと考えております。ご回答くださったこと、ご質問をくださったことに御礼申し上げます。

 

2021.03.05 「ジェンダーに関する問題ある公的発言ワースト投票2021」への投票ありがとうございました。投票受付を終了しました。結果の公表は、3月8日18:00を予定しています。どうぞお楽しみに!

 

2021.02.26 「ジェンダーに関する問題ある公的発言ワースト投票2021」、スタートいたしました! お一人最大2票(2票目は棄権可能)投票できます! 投票対象の発言等については、下をご覧ください。投票ページへのリンクもございます!!!

 

2021.02.25  年末年始には実施できませんでしたが、今回は、3月8日の国際女性デーに合わせた企画として「ジェンダーに関する問題ある公的発言ワースト投票 2021」実施いたします! このアクションは、政治にかかわる人たちからジェンダー差別発言が繰り返される現状を変えたいという気持ちを示すために行うものです、どうぞご参加ください! スタートは、明日(2月26日)19:00です!!!


【2020ー2021投票結果発表】

ランキング

 

ワースト1位 ;杉田水脈氏(衆議院議員)の発言 1995票(33.1%)

ワースト2位 ;森喜朗氏(東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会会長・元衆議院議員・元内閣総理大臣)の発言 1216票(20.2%)

ワースト3位 ;白石正輝氏(足立区議会議員)の発言 794票(13.2%)

ワースト4位 ;井上英治氏(春日部市議会議員)の発言 670票(11.1%)

ワースト5位 ;石島茂雄氏(伊東市議会議員)の発言 452票(7.5%)

ワースト6位 ;竹下亘氏(衆議院議員)の発言 360票(6.0%)

ワースト7位 ;松井一郎氏(大阪市長、前大阪府知事)の発言 322票(5.3%)

ワースト8位 ;馳浩氏(衆議院議員・元文部科学大臣)の発言 222票(3.7%)

 

【投票者数】3044 前回(3820人

 女性2067人、男性888人、その他・わからない83人、性自認無回答6人

【投票総数】 6031 前回(7593票)

 一人最大2票。同じ発言に2票、2つの発言に1票ずつ、2票目を棄権、いずれも可能。

【投票期間】 2021年2月26日19時00分〜2021年3月5日23時59分(約7日間)

 

 

【開票結果詳細】赤字はワースト1位

【図1 全投票の集計結果】

【図2 性自認による集計結果】

【図3 セクシュアルマイノリティ当事者かどうかによる集計

【図4 性自認とセクシュアルマイノリティ当事者かどうかの組み合わせによる集計】

【主催者としての当会の解説】

 

・ワースト1位は性暴力被害者に二次加害をし「女性は嘘つき」という偏見を述べて女性を蔑視する杉田発言

 

 ワースト1位の発言は、杉田水脈氏(衆議院議員)「女性はいくらでもウソをつける」でした。1995票、投票総数の33.1%を集めました。

 

 他にもさまざまな問題発言があるなかで、特に杉田氏の発言に投票する理由として多くの方が自由記述であげていたのは、主に以下の3点です。第一に、「やっとの思いで性被害を申告した人に対してあまりにも心無い言葉だ」「性被害者を貶める意図があった」など、性被害者への二次加害を許容できないとするもの。「苦しんでいる当事者が一層声を上げにくくなる」など、性被害の当事者や社会に与える影響を懸念する声も多かったです。第二に、すでに何度もジェンダー差別発言をして批判されている(たとえば性暴力被害者に関する2018年の発言や、LGBTに対する「生産性がない」発言など)にもかかわらず、ふたたび杉田氏が差別発言を行ったこと。第三に、国民を代表する立場の女性が、女性を貶める発言をすることへの失望や怒りです。これに関連して、杉田氏の問題発言の背景に、「女性蔑視の中にあってその苦労を知っている本人が逆に差別を用いて自らは差別する側に立とうとしたようにも感じる」「女性差別を助長する発言を繰り返せば繰り返すほど、党内の信頼が高まる仕組みがあるのでは」など、所属組織内の女性差別を推測するコメントも多く見られました。

 

・2位は女性の発言を蔑視し牽制する森発言

 

 2位は、森喜朗氏(東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会会長・元総理大臣)の「女性理事を選ぶというのは、日本は文科省がうるさくいうんですよね」「だけど、女性がたくさん入っている理事会は、理事会の会議は時間がかかります」「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分もいわなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」「女性を必ずしも数を増やしていく場合は、発言の時間をある程度、規制をしていかないとなかなか終わらないで困るといっておられた。だれが言ったとは言わないが」「私どもの組織委員会にも女性は何人いたっけ?」「7人くらいおりますが、みんなわきまえておられて」「ですから、お話もシュッとして、的を射た、そういう我々は非常に役立っておりますが」などの発言でした。1216票、投票総数の20.2%を占めました。

 

 森氏の発言に言及した自由記述の内容は多様でした。もちろん多くの方が、この発言が女性の発言の機会・権利を否定するものだということを厳しく批判しています。また、「嫌な意味でとても懐かしい」「森氏の発言と態度は私が体験してきたことにも重なり、日本全体の議会、会議、社会の『常識』とされてきたことに通じる状況」「いろいろなところで女性が遭遇する率の高い発言で根が深い」など、自分自身も類似のことを言われたという記憶を喚起する発言でもあったようです。日本社会の縮図のような発言だ、という指摘が相次ぎました。さらに、森氏が「元総理」「公的な組織のトップ」という高い地位にあり、ジェンダー平等について高い意識が求められる立場であるにもかかわらず、このような発言をしたことへの批判や失望を述べる方も多かったです。加えて、今回の発言について「発言者が最終的に辞任に追い込まれ、社会に与えた影響が大きい」「インターナショナルな影響を考えて投票した」など、発言をめぐる波紋の大きさを考慮した投票者も少なからずいました。

 

・3位はLGBT批判の白石発言

 

 3位は、白石正輝氏(足立区議会議員)の「あり得ないことだが、日本人が全部L(レズビアン)、G(ゲイ)になったら次の世代は一人も生まれない」「LだってGだって法律に守られているという話になったのでは、足立区は滅んでしまう」でした。794票、投票総数の13.2%を獲得しました。同性愛者の増加への危機感を煽るこの発言に対しては、性自認を「その他・わからない」と答えた人では杉田発言を抑えてワースト1位、セクシュアルマイノリティ当事者でも森発言を抑えてワースト2位となっており、これらの人々はこの発言に対してより厳しい態度を示しています。

 

・「すべてひどい」の多さ:獲得票の少なさは問題のなさを意味しない

 

 自由記述欄に記入した689人中181人(26%)が「全部ひどいのですべてに投票したい」「2票では足りない」という趣旨のコメントをしています。このことからわかるように、獲得票が少ないことは、その公的発言に問題がないことを全く意味しません。その点ご注意ください。

 

 なお、自由記述欄記入者のうち「すべてひどい」という趣旨を述べた人の割合は、前回も前々回も18%でしたから、今年は8ポイント上昇したことになります。ジェンダー差別に反対する人々のなかで、差別に関する認識の共通性が高まってきているのかもしれません。

 

・そのほかの順位、カテゴリーごとの集計結果について

 

 このほかの順位につきましては、上記の表および図にある通りです。

 カテゴリーごとの集計結果は、ジェンダー差別に反対する人々の問題意識がしばしば共通している一方で、人々の属性によってこの問題における優先順位に微妙な違いがあることを示しています。

 性自認が「女性」だと、①石島発言(女性へのハラスメント&女性とのコミュニケーションを拒絶する発言)、⑦森発言(女性の発言を蔑視し牽制する発言)など、女性の意見・意思表明に関わる性差別発言に対して、他の性自認の人よりもより批判的です。一方「男性」だと、他に比べて、⑧竹下発言(男性へのセクシュアルハラスメントを擁護する発言)や②松井発言(固定的な性役割分担を前提とし家事負担を軽視する発言)など、男性に関わる発言に対してより批判であるようです。「その他・わからない」の場合は、全体計や他の性自認とは異なり、ワースト1位・2位がLGBT批判の⑤白石発言と④井上発言であるのが大きな特徴です。

 セクシュアルマイノリティ当事者どうしでも、性自認により投票傾向が大きく異なります。女性のセクシュアルマイノリティ当事者の回答は、セクシュアルマイノリティ当事者でない女性と似ていて、女性差別発言に批判が集まる傾向があります。その一方、セクシュアルマイノリティ当事者で性自認が「男性」「その他・わからない」の場合は、それよりもLGBT批判発言により投票が集中しています。セクシュアルマイノリティ当事者でない男性は、男性に対するセクシュアルハラスメントを擁護する発言により批判的です。

 このように、ジェンダー差別と一口に言っても、どのような発言をより深刻な問題ととらえるのかについては、属性によって違いがあります。ジェンダー平等を考えるにあたっては、多様な人々にとって「見えている景色」は多様である、という認識を前提とすることが大切です。ジェンダーに基づく差別のない社会を望む思いの中にも多様性があるのだと互いに認識することは、多様性を超えて人々が連帯してゆくための第一歩だと思います。

 

【主催者としての当会のコメント】

 

・問題発言はまだまだ多い

 ワースト候補の数は、昨年の投票と同じく8件でした。地方議員の問題発言が複数報道されるなど、ジェンダーに関する問題発言が報道対象となる公人の範囲が広がってきたにも関わらず、ワースト候補件数が増えていません。これが、公職にある人々がジェンダー差別的な公的発言をしないよう、以前よりも注意するようになったことの現れであるならば、望ましい方向への変化だと思いますが、それでも、問題ある公的発言がまだまだ多すぎます。

 

・問題ある公的発言への批判が、謝罪を超えた対応につながった

 過去そして今回のワースト候補の発言のなかには、批判を受けて撤回されたり、謝罪が行われたりしたものも、数多くあります(なかには「謝罪」が謝罪になっていないと批判されたものもあります)。また、いくつかの発言は、所属組織の上位者から注意を受けました。しかし、2017年以降にこの投票キャンペーンがとりあげたワースト候補発言は、口頭での謝罪以上の責任の取り方とは全く無縁でした。

 しかしこの2021年、ついに、ジェンダーに関し問題ある公的発言をした人がその責任をとって辞任するという、謝罪を超えた対応をするのを目撃することになりました。ジェンダー平等に反する公的発言への強い批判が、社会を変える力を持ちうることを示す、印象に残る出来事でした。

 

 

 今年も、問題のある発言が出てくる社会状況を変えたいという気持ちを示すために、たくさんの方が投票をしてくださいました。主催者として、心から感謝申し上げます。

 

 

 


【投票の呼びかけ】「ジェンダーに関する問題ある公的発言ワースト投票2021」

 日本社会のジェンダー平等推進に関心をもつみなさまへ—ネット投票にご参加ください。

 

【1】この企画の目的

 2020年も、そしてごく最近も繰り返された、ジェンダーに関して問題のある公的発言(注1)。日本社会において、人権についての基本的な理解が共有されていないことに深く失望した人も多いのではないかと思います。特に、そうした発言が政治家によって行われていることは深刻な問題です。また、こうした現状が放置されていることは、ジェンダー平等実現のための日本の取組が他の先進諸国にくらべて非常に遅れていることと深く繋がっていると、私たちは考えます。

 

 

 3月8日は、国際女性デー(International Women's Day)です。今回は、この大切な日に、政治家(注2)の発言に絞って投票を募り、皆さんの思いを可視化したいと思います。2020年1月1日から2021年2月20日までの現役政治家および元職による公的発言の中から、私たちは、ジェンダーに関わる見過ごせない問題発言を、「ジェンダー差別発言にNO」「著しいジェンダー格差の容認発言にNO」という基準で選びました(注3)。この中から、みなさんの投票によりワースト発言を選ぶとともに、なぜこれらの発言がジェンダーにかかわる問題であるのかを、社会に向けて発信していきたいと思います。なお、いただいた情報は集計にのみ使用し、他の用途には決して使用しないことを、かたくお約束いたします。

 

 政治にかかわる人たちのジェンダー差別発言に対する批判や、そのような発言が繰り返される現状を変えたいという気持ちを示すためのこのアクションに、あなたもぜひご参加ください。

 

(注1)ここでいう「公的発言」とは、公職にある者または元公職者が、①それらの肩書のもと行った発言、②意見を公に表明するための方法を用いて行った発言、の少なくとも一方を満たすものを指します。

(注2)ここでいう「政治家」とは、公職にある者(国会議員、都道府県知事、市町村長などの首長、地方議員)および元公職者を指します。

(注3)公職者自身によるTwitterアカウントでの発言は公的発言の範疇に含まれますが、Twitter発言のみで報道がなされていないものについては、本キャンペーンの投票対象とはしておりません。膨大な数の公職者のTwitter発言すべてをチェックすることはできないので、「報道された公的発言」のみを投票対象としています。

 

【2】ワースト発言候補とその理由

 私たちが選んだ今年のワースト発言候補と候補選出理由および関連する新聞報道・ウェブメディア記事へのリンクは、下記の通りです(肩書は当該発言当時)。投票においては、8つのワースト発言候補のなかから、最大2つを選ぶことができます。

 

 

1. 石島茂雄氏(伊東市議会議員)「銀座のクラブのママみたいだね」「地元でこれ言ったら、みんな喜ぶんだぞ」(女性にセクハラだと抗議され)「なんでもかんでもセクハラって、一体なんなんだよ。じゃあ女とは一言も話せないね」

 

解説:

 

 2020年2月16日、東京都で開催された立憲民主党大会の出展ブースで、参加していた女性に対しての発言。求められてもいないのに、相手の外見を一方的にジャッジしその内容を口に出すこと自体、相手への敬意があるのか疑われかねない言動だが、そのような言動をとがめられたのに聞き入れなかったことや、そのような言動がとがめられるなら女性とはコミュニケーションしなくてよいという考え方自体に、一貫して女性への蔑視が示されている。

https://mainichi.jp/articles/20200309/k00/00m/010/290000c

 

2. 松井一郎氏(大阪市長、前大阪府知事)「やっぱり、女の人が行くとね、それはもちろんなんだけど、色々商品とか見ながら『これはいい』『あれがいい』とか時間かかる。」「言われたもんだけ買うということになればね、男性の方が早い、と。僕も含めて、あまりスーパーに出入りしていない方が、言われたもんだけ買ってこいと言われたら、とにかくとっとと行って、その商品の場所に行って、それをカゴに入れて、スーパーの中にいる時間は非常に短縮できると思いますんで」

 

解説:

 

 2020年4月23日の記者会見で、スーパーでの新型コロナウィルス感染防止に関連する質問に答える中での発言。普段スーパーに出入りし、必要なもの・買うべきものに心を配り決定をするのは女性であり、男性は普段スーパーに出入りせず女性に言われたものを買うだけという、固定的な性別役割分担を前提に話をしている点が問題。また、与えられたリストのものだけを買う場合と、そのようなリストなくその場で主体的に買うものを決定しなければならない場合とでは全く買い物の条件が異なるにもかかわらず、それぞれの「スーパーの滞在時間の長さ」を単純比較しているが、そのような軽率さを招いているのは、スーパーで買うものを決める行為の背後に、家庭の在庫や予算や家人の好み等を把握したうえで献立を考える複雑な作業があることへの無理解、つまりはケア責任や家事負担の軽視と思われ、その点も問題である。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/coronavirus-ichiro-matsui_jp_5ea22c0ac5b6f9639811d6b6

 

3. 馳浩氏(衆議院議員・元文部科学大臣)「女の子だから」

 

解説:

 

 2020年4月22日、自らが会長を務める「自民党ハウジングファースト勉強会」のメンバーらとともに一般社団法人「Colabo」のバスカフェ視察のため訪問し、その設営に参加した。主催者の意向に反し、テントなど重い荷物を女性に渡さず若手議員らに運ばせる勝手なふるまいをした際に、このように発言した。主催者やその場にいた女性たちの意向を尊重しない自らの言動を、性別ステレオタイプを用いて正当化している点が問題である。

https://digital.asahi.com/articles/ASN4W6789N4WUTIL02S.htm

*なおこの時の訪問者の振る舞いの問題は、上記発言だけではなかったことをColaboは表明している。

 

4.  井上英治氏(春日部市議会議員)「埼玉県や春日部市はLGBTに関するいじめ相談が過去5年間でゼロ」「春日部で差別は起きていないのに、そんな時に小学生にレズビアンだとかゲイだとか教える必要あるんですか」「この請願は差別を解消してほしいと言いながらも、現在ある例えば教育委員会のいじめ相談窓口や法務局の人権相談制度を活用もせず、市内に実際には存在しない差別があると言っています」「春日部市には(LGBTに対する差別は)存在しないことが明らかになっています。請願の理由は存在していないのです」

 

解説:

 

 2020年9月15日および同月18日に、春日部市議会において、市民から出された「春日部市におけるパートナーシップの認証制度および性的少数者に関する諸問題への取り組みに関する請願」に関連し述べたもの。自らが一方的に定義するごく狭い「差別がある状態」にあてはまらないことをもって「差別は存在しない」「実際には存在しない差別があると言っている」と主張しており、著しい不平等や人権侵害を不適切に肯定する発言。差別される側の人々が声をあげにくい状況にあることについても思慮を欠いており、人権や差別についての無理解を示している。

https://digital.asahi.com/articles/ASNCC73FJNCCUTNB00K.html

 

5. 白石正輝氏(足立区議会議員)「あり得ないことだが、日本人が全部L(レズビアン)、G(ゲイ)になったら次の世代は一人も生まれない」「LだってGだって法律に守られているという話になったのでは、足立区は滅んでしまう」

 

解説:

 

 2020年9月25日、区議会定例会の一般質問で、少子高齢社会への対応を問うなかで述べたもの。自ら「あり得ないことだが」と言いつつ「日本人が全部レズビアン、ゲイになる」という想定のもと、同性愛者が法律によって守られることに強い危機感(「足立区は滅んでしまう」)を持つよう聴衆を煽る発言。婚姻は子作りだけを目的とする制度かのような誤解を与え、また同性カップルが子どもを育てている現実を否定するものでもある。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/59502

 

6. 杉田水脈氏(衆議院議員)「女性はいくらでもウソをつける」

 

解説:

 

 2020年9月25日の自由民主党内の会議で、性暴力被害者のための支援事業は民間委託ではなく警察が積極的に関与すべきと主張する際の発言。女性の性暴力被害の訴えに対し、正当な根拠も示さずはじめから虚偽申告ではないかと疑う発言で、性暴力被害者を二次的に加害する発言。また、女性の訴えを虚偽と見なすことを正当化するにあたり「女性は嘘つき」という偏見を述べており、女性を蔑視する発言でもある。性暴力被害者の訴えは往々に嘘として退けられてきたが、そうした社会の偏見を強化するものである。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5f755ac4c5b66377b27d1d40

 

 

7.  森喜朗氏(東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会会長・元衆議院議員・元内閣総理大臣)「女性理事を選ぶというのは、日本は文科省がうるさくいうんですよね」「だけど、女性がたくさん入っている理事会は、理事会の会議は時間がかかります」「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分もいわなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」「女性を必ずしも数を増やしていく場合は、発言の時間をある程度、規制をしていかないとなかなか終わらないで困るといっておられた。だれが言ったとは言わないが」「私どもの組織委員会にも女性は何人いたっけ?」「7人くらいおりますが、みんなわきまえておられて」「ですから、お話もシュッとして、的を射た、そういう我々は非常に役立っておりますが。」

 

解説:

 

 2021年2月3日、日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会で、女性理事を増やすJOCの方針に関連して述べたもの。会議時間の節約のため女性にかぎり発言時間を規制すべきという性差別的意見を無批判に紹介する一方、話が短い(「話がシュッとしている」)女性が「わきまえている」ことを称揚しており、「会議における女性たちの発言時間は短いほうがよい」と女性の発言を萎縮させる効果を持った発言。また、この発言の前提となっている「一部の『わきまえた』女性たちを除き、一般に、女性が会議で発言するのはほかの女性への競争心からであり、女性の発言は的を射ず役に立たない」という考えは女性蔑視である。会議において男性の方が発言時間・回数が長いことが研究で判明している。つまりは、森氏の発言は意思決定における女性の発言時間や内容を牽制するもので、男女の対等な意思決定への参画を阻害、無効化する意味で性差別発言といえる。

https://digital.asahi.com/articles/ASP235VY8P23UTQP011.html

 

8. 竹下亘氏(衆議院議員)「スケート界では男みたいな性格でハグなんて当たり前の世界だ」「セクハラと言われたらかわいそう。セクハラと思ってやっているわけではなく、当たり前の世界である」

 

解説:

 

 2021年2月18日、党本部での竹下派の会合後、記者団に、東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長がソチ冬季五輪閉会式後の打ち上げパーティーで男性スケート選手にキスを強要したことについて述べたもの。その後、事務所を通じ「男勝りと言いたかった」と訂正した。キスの強要は、どんな性格の人であろうと、「男勝り」であろうとなかろうと、加害側がセクハラと思ってやっていようがいまいが、セクハラであり、当たり前のことではなく、それはスポーツの世界でも同じであることがわかっていない発言。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_602e26c1c5b67c32961b5cb3

 

【3】結果の公表について

 皆さんの投票の結果は、2021年3月8日夜、FBページおよび本サイトで公表します。全体ワーストだけでなく、性別(性自認)ごとのワーストや、セクシュアルマイノリティ当事者のワーストも発表します。乞うご期待!

 

 【4】  投票ページへ

投票ページへはここをクリック!(終了しました)

 投票スタートは2021年2月26日19時00分

 投票締め切りは、2021年3月5日23時59分です!

 

 

公的発言におけるジェンダー差別を許さない会(NOASEPS; NO to all sexist public speeches

 

 

呼びかけ人(五十音順)
申琪榮(お茶の水女子大学准教授)、千田有紀(武蔵大学教授)、西川有理子(パリテキャンペーン)、三浦まり(上智大学教授)、皆川満寿美(中央学院大学准教授)、村尾祐美子(東洋大学准教授)、山崎友記子(全国女性シェルターネット)、柚木康子(公人による性差別をなくす会)